父の死から3年近く経った頃だった。港を見下ろせる森で星を眺めることが日課となっていた私は、いつものように森の入り口にある大きな岩に腰かけていた。
すると背後にただならぬ気配を感じ振り返ってみると、そこには輝く銀色の毛を持つ犬がじっと私を見つめて立っていた。その犬はとても神秘的で、銀色の毛が美しく輝き、狼と見間違いしてしますほど大きかった。私は恐怖とは異なる緊張で体を硬直したことを今でもはっきり覚えている。
すると、その犬は私の近くに寄ってきて、まるで私を受け入れるかのように尾を振った。しばらくすると、その犬はで私を促すかの様に歩き始め、私はその犬の誘いにのり、森の中を一緒に歩き始めた。
次第に周囲の景色が変わり始め、木々の間を進むうちに、不思議な光景が広がり始めた。鳥たちが歌い、風が葉を揺らし、空気中には幻想的な輝きが満ちていた。
それからどれくらい歩いたろうか、その犬との時間は経過を忘れさせるほど魅力的で、とても神秘的であった。やがて私たちは森の奥深くにある小さな池にたどり着いた。池の水面は月の光が反射し、その光景はまるで魔法のようで、私はその犬と一緒に池のほとりに座り、静かにその美しい光景を眺めていた。
その神秘的な犬との出会いは私にとって運命の出会いであり、父の死から3年を経て、私の人生に新たな章が始まることを感じさせた。そして、その犬は私の思いを汲み取ったかのように、私のそばに寄り添い、優しく尾を振った。
私は彼にジャックと名前をつけ、彼を私の相棒として受け入れることを決意したのだった。以来、私とジャックは二人で暮らし始め、彼は私の心の支えであり、家族だった。彼とはいつも一緒で、海、山、川と、様々な冒険の旅に出かけ、たくさんの財宝を手に入れた。
父の死から立ち直るきっかけを与えてくれたジャックには、心から感謝の気持ちと尊敬を抱いている。
そして彼との時間は永遠に続くものだと思ったいたのだ・・・